脊椎由来の腰痛に対する鍼灸の有効性

腰痛はありふれた症状といえます。しかしその80%は医学的には心因性であるとされています。

つまり明らかな原因がなく痛むものが大半であるということです。痛みがあるのに原因が目に見えないストレスや精神的なものであるとされるのはなんだか不思議な感じがしますね。

腰痛の分類

急性腰痛(発症から4週間以内)と慢性腰痛(発祥から3カ月以上に分けられます。

  • 脊椎由来
  • 神経由来
  • 内臓由来
  • 血管由来

そして心因性と大別することができます。

脊椎由来は、代表的なものに腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎すべり症、骨粗鬆症などがあります。一般的には整形外科で診察を受け、ブロック注射、リハビリ療法など保存療法が行われます。手術が適応されるケースもあります。

鍼灸院に来られる方の多くがこのケース(心因性含む)ですから今回はこちらを取り上げます。

鍼灸治療は適応か?

上記した脊椎由来の腰痛に対して鍼灸治療は適応なのでしょうか?

画像所見で明らかな異常が出ているなら鍼灸の出番はない気がしますよね。しかし、個人差は当然ありますが実際に痛みが寛解することは多く経験するのもまた事実です。

それは一体どうしてでしょうか?

結論を言えば画像所見と腰痛の痛みとは関連があまりなかったということになります。これは経験的な判断になってしまうものの、そうとしか考えられないことを多く経験するのです。

たとえば、70代女性で脊椎分離症と診断された方がおられました。普通なら保存療法を勧められ、湿布やリハビリで対応することになるでしょうが、鍼灸治療を5回程度(1ヶ月)で痛みに関してはほとんどなくなったのです。これは私の鍼灸が優れているとかそういう話ではなく、鍼灸の持っている可能性を示しています。

しかし、おそらく医学的な画像を取れば相変わらず分離症という状態はあるはずなのです。なぜなら1ヶ月で分離された骨が戻るわけがないからです。

鍼灸は血流を改善する目的

このことは次の希望を示唆しています。

病名とその痛みとは関連がなく改善できるかもしれない。

もちろん実際に鍼灸治療してみないと改善するかどうかわかりません。しかしやってみる価値はあるのではないでしょうか?鍼灸治療は血流を改善して痛みを緩和する目的で行います。

なので腰が痛いから腰にぶすっと鍼を刺すのではなく、しかるべき体の部位に適切な鍼灸刺激を施す(どこにするかは長くなりますので今回は割愛します)ことであなた自らの自己治癒力が賦活されるように導くことが鍼灸の役割なのです。あかつき堂鍼灸院の鍼灸治療における鍼は痛くありませんのでどうぞご安心ください。

腰痛予防

最後になりますが基本的な生活の仕方に問題がないか今一度確認してみましょう。

  • 一日中同じ姿勢を続けていないか?
  • 猫背になっていないか?
  • 冷たいものをとりすぎていないか?
  • なんでも湿布や薬で対処すればいいと思ってないか?
  • お酒を飲み過ぎていないか?
  • 睡眠時間をしっかりとっているか?

本当に基本的なことばかりですがこれらを気をつけると改善は早いです。逆にいえばこれらの行動は血流を滞らせて患部への栄養が適切に行われない状況を作り出すということです。

一刻も早く腰痛から解放されましょう。