どちらに行けばいい?鍼灸院と整体院の違い

整体院には行ったことあるけど、鍼灸院は初めてという方も多いのではないでしょうか?

このページでは、治療内容やその効果、資格などにおいて整体院との施術の違いをご説明いたします。

これを読むことで、自分がどこの施術院があっているか、ひとつの目安になりますのでどうぞご覧ください。

1. 局所的か?全身をみるか?

当院では全身をみて鍼灸を行っていきます

先に鍼灸院について触れます。

鍼灸院は概ね2つに大別されます。

  1. 局所的に鍼や灸をする鍼灸院
  2. 全身治療をする鍼灸院

①(局所治療)を主に行う鍼灸院は施術部位、あるいは施術時間によって料金が変わるのが一般的です。

②(全身治療)を行う鍼灸院は治療時間、施術部位に関わらず料金が一律のところが多いです。当院の鍼灸治療の料金はつらい箇所がどんなにあっても何分かかっても一律です。

部位別施術のメリット

施術部位ごとに料金設定があるところは、あなたが希望する体の部位を施術してもらえます。

使い方としては肩こりなら肩、腰痛なら腰部と部位を設定するという具合に。

これはつらいところに施術してもらえるので施術に対して納得感があります。

しかし、あなたがつらいと思っている体の部位と実際の原因部位が本当に一致しているかどうか?

そして、それをだれが確認するのか?という点で疑問が残ります。

本来なら施術している人ですが、部位別に施術しているため十分な触診は現実的に不可能でしょう。

ということはつまり。

部位別施術の本質はリラクゼーション重視型であるということ。

そして、症状の改善はそのシステム上、サブにならざるを得ないという特徴があります。

また、施術時間で料金が変わる施術院についても似た点があります。

症状の改善に施術時間が関係あるのか?

それは施術者の技量もありますが、施術の内容、考え方によって様々なのでなかなか一言で「これは、こういうことです。」と言いにくい側面があると考えています。

たとえば、30分の時間制であなたの辛さを取ることを目的としてた施術を行った場合、30分で取り切れる症状なのか、60分なら可能なのか?

それぞれの施術家の考え方にによるということです。

一方で一律料金は?

一方で、全身治療では基本料金は一律なところが多いはずです。とくに鍼灸院では。

その理由は、局所によって値段設定がある施術院とはまた別の視点でひとの体を見ているからです。

たとえば、

  • 肩こりは肩が本当に原因なのだろうか?
  • 腰痛は本当に腰が原因があるのだろうか?

というそもそも話から始まり、治療方針を立てていきます。

腰痛と因果関係が深い部位にたとえば膝裏の委中や委陽というツボがあります。

つまり、膝と腰が関連して腰痛を引き起こしているケース。

実際これはかなり多い。

この膝を見逃すと、いくら腰ばかりアプローチしても、施術の気持ちよさ、やってもらった感はあるかもしれませんが、腰痛そのものは改善しないという結果になってしまいます。

そんなこんなを考えると部位別施術には限界があるのではないか?と、私は考えています。

つまり、原因箇所が特定できないという弱点を補えない。

そう考えると全身まるっと観察・触診しないとどこにアプローチするかなんて、決められないよね?という視点で全身をみることになります。

これが全身治療の意味です。そして一律料金の理由です。

時間によって料金を変えないのも同じ理由です。

このように症状の改善を目的として全身治療をお求めであればお勧めできます。

そのかわりリラクゼーション要素はあまり期待しないほうが良いでしょう。

まだ整体院の鍼灸院の違いについて触れていないのですが、ここから先は、整体も鍼灸も全身治療を前提とした文章を書いています。

整体院では・・・

素手によって患部に圧力を加えて揉みほぐす手技や、骨盤矯正、骨格矯正を施すことで正しい姿勢に戻し不調の解消を図るカイロプラクティックなどの手技を行います。

またリラクゼーションとしての手技も存在します。

上述した部位別、全身治療の考えがそのまま当てはまります。

2. 鍼灸の有効性はWHO(世界保健機構)で認められている

鍼灸の有効性はWHO(世界保健機構)でも認められている

WHO(世界保健機構)や、NIH(米国国立衛生研究所)の見解によれば以下の通り鍼灸の有効性があると認識されています。

神経系疾患、運動器疾患、循環器系疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患、代謝分泌系疾患、生殖系、泌尿器科系疾患、耳鼻咽喉科系疾患、婦人科系疾患、、眼科系疾患、小児疾患。

とはいえ、それぞれの鍼灸院によって得意分野、苦手分野があるのもまた事実です。

効果の持続性には個人差がありますが、体調が良くなれば基本的に体調管理として月に一回程度の鍼灸施術で十分だと考えられます。

整体院では・・

整体は主に腰痛、肩こり、首の痛みなど運動器疾患を得意としています。

どのような施術でも局所的な施術を行っていれば、症状は繰り返しやすいです。

一方、全身を意識した整体を行えば不調の原因となる要素を取り除くことに繋がります。

そうした全身治療を行えば体は自ずと回復していくでしょう。

持続性は個人差がありますが、回復した段階では月に1回の施術ペースで良い体調を保つことができるでしょう。

3.身体の不調以外に施術前後各部位の可動域・変化をしっかり確認

身体の不調以外に施術前後各部位の可動域・変化をしっかり確認

初回で書いていただく問診表をもとに、体の不調がどういった背景から引き起こされているのか探ります。

具体的にはお悩みの自覚的症状はもちろんですが、食欲、睡眠、排泄など基本的な体の代謝がしっかり行われているかを確認します。

また自覚症状だけでなく、自覚されていない自律神経の症状などの解消も目標に行います。

検査では体の各部位の可動域や痛みの度合いを施術前、施術中、施術後でその変化を確認します。

一般的な整体院では・・・

初回時に記入した問診表をもとに体の可動域や動作痛などを確認して、施術前、施術後の改善の仕方を確認します。

4.鍼灸師(はり師、きゅう師)は国家資格、でも整体師は?

鍼灸師(はり師、きゅう師)は厚生労働省から認めた国家資格

鍼灸師(はり師、きゅう師)は独立開業が認められた国家資格です。

3年以上の期間かけて専門学校や大学で学び14科目の試験に合格して初めて国家資格を取得することができます。

一般的な整体院では・・

実はここからが本題です。

整体院ときくと、整骨院(柔道整復師という国家資格)、整形外科(もちろん医師国家資格)と同列に考えてしまいそうです・

しかし、まったく違います。

ご存知でしょうか?

そもそも整体師という資格は実は日本には存在しない、ということを。

しかし、鍼灸師や柔道整復師、理学療法士など一定期間専門学校や大学で基礎医学を勉強しなくても整体師と称し開業することは一応可能、というのが実情なのです。

解剖学、生理学など医学の基礎すら学んだことがない素人が全く勉強せずに今日から「整体師として開業」してしまえる現実。

当たり前ですが健康被害の可能性が十分に考えられます。

たとえば、必須科目の解剖学を学ばずに、全くの素人が実質上のマッサージ業務、骨盤矯正や頸椎の矯正をしていると考えてみてください。

恐怖でしかないはず。

ですが多くの方がこういった事実を知りません。

このように医療従事系の国家資格を持たない「整体師」に許されることは厳密に言えば、無益無害、つまりリラクゼーションの範囲に限定されるべきです。

もちろん、決してリラクゼーションがダメだと言っているわけではありません。

体を直接触り、物理的刺激をあたえ、体の反応を変えるということは改善も可能性もありますが、悪化する可能性もまたある。これらを受け入れるだけの知識と経験がなくてはなりません。

専門施設で学び資格を取得できたということは少なくとも基礎的な医学知識はあるのです。

リラクゼーションも大変に奥が深い施術ですし、価値があるものですので本来その棲み分けはなされるできでしょう。

それを前提として、では、どんな整体院に行くべきでしょうか?

国家資格持ちの整体院へ行くべき

結論は理学療法士、鍼灸師、柔道整復師など医療従事系の国家資格者が「整体院」や「鍼灸整体院」として行っている施術院に行くことです。

たとえば鍼灸師、柔道整復師には独立開業権があります。

だから開業できます。

でも理学療法士(国家資格)にはこの開業権が認められていません。

法律上は「医師の指示のもとに理学療法を行うことを業とする者」という形で行う国家資格なのです。

でも2年間の専門施設で学んできた知識・技術があります。

もし整体を受けたいときはその整体院のHPなどで院長のプロフィール等で有する国家資格を確認するといいでしょう。

どんなジャンルでも人の体を触る職業は必ず国家資格者です。もちろん理髪師も美容師も。

健康被害が必ずついて回るので、人の体を系統立てて数年にわたり学ぶことはとても大切なことなのです。

HPのプロフィールにいくら民間資格が書いてあっても、それはなんの基礎的な医学知識がある証明にはなりませんので行かれる際はご留意ください。