鍼灸は「眠れない」「つらい」「原因不明の症状」に効くのか?

鍼灸は、腰痛や肩こり、頭痛などで効果があるとされることが多いですが、
「眠れない」「自律神経が乱れている」「なんとなく不調」といった
原因がはっきりしない症状にも用いられることがあります。
事実、自律神経失調症や不定愁訴への鍼灸の有効性についての研究も増えてきています。
ですが、すべてにエビデンスがあるわけではありません。
鍼灸が「効く人」もいれば、「あまり効果が感じられない人」もいます。
その理由は、まだ医学的にも完全には解明されていません。
「鍼灸が効かない」と感じる理由は、再現性の限界にある
現代医学は、「再現性」をとても大切にしています。
つまり、同じ治療をすれば、誰にでも同じ効果が出ること。
でも実際の人間の身体は、
日によって変わり、気分や体調、生活習慣の影響を大きく受ける「不確かなもの」です。
私たち鍼灸師はこの流動性に対して、触診や問診で応じています。
皮膚の張り、筋肉の緊張、呼吸の深さ、熱感や冷え、声のトーンなどなど。
同じツボにしたつもりの鍼が、ある日は効果が出にくい、出ない。
だからこそ、結果が多様になるのも自然なことなのです。
「鍼灸は効かない?」その問いに、私はこう答えたい
すべての人に効くとは言えません。
ただ、私は「効かない」と切り捨てる前に、いつもこう思います。
- 本当に見えていたか?
- 勉強不足だったのではないか?
わからないものを、わからないまま放っておかないために
- 検査では異常がない
- 誰に相談すればいいかわからない
- 症状があるのに、納得できる説明がない
そんな方にとって、鍼灸という方法は、見えない変化を言葉にする手がかりになるかもしれません。
そして、私はそのためにいまも自分の技術と思考を問い直し続けています。
たとえば睡眠の仕組み、皮膚の神経受容、食欲とストレスの関係。
まだ知らないことがたくさんあるからこそ、「わからなさ」と付き合いながら鍼灸治療を続けています。
「効く/効かない」では測れない、もうひとつの視点
鍼灸とは、「何が効くのか」だけでなく、
「今のあなたの身体は、どうなっているのか?」を一緒に探る作業でもあります。
もし、症状が説明できないことに不安を感じていたら見えないけれど確かにあるものに耳をすませる手段として、鍼灸という方法を選んでみてください。
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