自己治癒力と鍼灸
ご承知のように、体は勝手に心臓が拍動し血液が全身に流れたり、血圧を調整したり、呼吸をしたり、脳からホルモンをだしたり、胃腸で食べ物を消化しエネルギーに変えてくれます。
これは自律神経の働きによるものです。普段意識することなく絶えず私たちの体は生きるために働いてくれている力、それはまさに自己治癒力だとあかつき堂鍼灸院は考えています。
体の不具合は自己治癒力の低下
今あなたが感じている不調は、自己治癒力が低下し自律神経が乱れた結果によるものだとあかつき堂鍼灸院では考えています。
ところで、この自己治癒力、目に見えるでしょうか?いいえ、決して見えません。
でも見えないけど確実に人が持つ力に違いない。鍼灸はそこに働きかけます。
自己治癒力に鍼灸はどう働きかけるのか?
自己治癒力は目に見えません。
でも、体をくまなく観察することでそれ(自己治癒力)の状態を予測することはできます。たとえば、西洋医学の医学的検査値。血液検査、画像検査などのそれを参考にどこどこの数値に問題がある。画像的所見がある。という判断をしています。
なんらかの数値が規定値より低値(もしくは高値)ならば正常値から外れ体のどこかに変調があるということ。これを言い換えれば、医学的検査によって分析された体の数値は自己治癒力のある側面の低下を示している、ということになるでしょう。
身体の状態を観察する主観的な手法。それが「鍼灸」
一方あかつき堂鍼灸院の鍼灸施術(東洋医学)は医学的検査値という客観化された情報ではなく体を観察するという極めて主観的な手法に終始しています。
そこには、痛みとか、コリとか冷えとか汗とか施術を受けられる方の膨大な情報が鍼灸施術者の経験的観察によって得られるのですが、そのどれも客観化できる類のものではありません。
「経験」は科学では扱えない。
たとえば、痛いという感覚は誰にでもありますが、その痛みを目に見える形で、この人とあの人の痛み方は同じである、あるいは異なるという比較は実はできません。痛みという概念は誰でも知っているのに、その感覚は各々の主観に委ねられているわけです。料理の美味しさが人の味覚によって委ねられているのに似ていますね。
したがって医学的検査で載っからない主観的なもの(痛い、辛い、ぼーっとする、だるいなど)は西洋医学では基本的に無視されます。手なぐさみ程度にビタミン剤や痛み止め、シップを処方されることはしばしば耳にすることから容易に想像できますね。
話がそれてしまいましたが、鍼灸でみる自己治癒力の状態を知るための状態は先に示したように、痛み、コリ、冷え、熱感、汗、脈状、肌質、呼吸の仕方、など多岐に渡りますが客観的に判断がつかない(検査で重要とされない)情報をもとに自己治癒力の状態を推し量り鍼灸施術に還元します。
それが鍼灸および東洋医学の弱みであると同時に、強みであり特徴だと私は考えています。
東洋医学および鍼灸は主観的でいい
西洋医学は客観的な評価をもとにして治療が組み立てられますが、鍼灸は必ずしもそうではありません。
というより、鍼灸のその主観的であることはむしろ特徴であり長所だと考えています。施術を受ける側の主観的なつらさを主観的な方法で解消を図っていく。
先ほど長所だといったのは、そういった主観的なものは西洋医学では切り捨てられていきますから、西洋医学で賄えない分野を鍼灸や東洋医学は賄うことができるからです。