頭痛、肩こりから手までしびれる症状の鍼灸治療例

20代女性、頭痛、首こり、肩こり、手のしびれに対しての施術の一例です

この方は頚椎ヘルニアと診断されていました。したがってそれに関連した症状であると考えられます。そんな状況にあっても今回のケースでは鍼灸治療の有効性を示すことができました。

重要なツボ、体の部位

特に鍼をして効果を示したと考えられるツボは、背中の太陽膀胱経に位置する志室、胃倉、神堂、魂門です。ここは陰陽五行論から導きだしたツボですが、単純に考えたとしても首から背中、臀部にまで繋がりがある筋肉が走行しているラインに位置しているため重要だと考えています。

そして督脈上(背骨)の圧痛点となるツボにジーンと熱を入れるための知熱灸というお灸を行うということを加えていきました。

触診上、症状と関連しているのは、頸椎ヘルニアはもちろん考慮に入れますが、背中全体の張りと、腹部の筋緊張でした。症状一見関係ないと思われるかもしれませんが、腹部の筋緊張が取れてくると、背部の筋緊張も比例して緩んでくるということがかなりあります。今回はこれが功を奏しました。

つまり鍼灸治療では部分ではなく、体全体を見ること、これがとても重要なのです。

改善度合い、課題

今回の例では計6回ほどの鍼灸治療で手のしびれ頭痛はなくなり、背中の張り感が少し残るという経過となりました。

デスクワークを仕事としているため、背中の張りがすっかり緩み切るということはまだ難しいですが、無理のない範囲で施術を続けることが現在でもできているので快適な生活を送れるようになったといえます。

頚椎ヘルニアと診断されたからといってそこの部位だけに注目するのではなく、なぜ頚椎に対してそのような変化が起こってしまったのか?ということを考えるのが重要だと考えています。そう考えたとき、ようやく症状が起こっている場所ばかりではなく、腹部というところに着目できたことで、的確に改善をはかることができるのです。