その腰痛、鍼灸、整体どちらが適応か?

こんにちは!市川市、あかつき堂鍼灸院の清水です。

鍼灸と整体はどちらも全身の触診や動作確認を通じて辛い箇所の原因を特定する点では共通しています。

しかし、鍼と整体のアプローチにはいくつかの違いがあります。

結論を先に書きます。

  1. 整体師には公の資格が存在しないため、整体の技術や知識にはばらつきがある。
  2. 鍼灸は国家資格があり、高度な専門知識を持った鍼灸師が施術を行う。
  3. 鍼灸は広範囲の症状に対して効果が期待でき、安全性が確保されている。
  4. 整体の場合、施術者が適切な知識や技術を有しているか確認(HP等)が必要。
  5. あなたが整体院に行く際、国家資格を持つ者を選ぶことが安全で信頼性が高い。
  6. あかつき堂鍼灸院では、鍼灸の専門性を損なう可能性や独自のアプローチとの相容れなさから整体を採用していない。

鍼灸の特徴:

  • 鍼は細い鍼を用いて特定の経絡やツボに刺激を与える方法です。この刺激によって神経系や筋肉に働きかけ、体のエネルギーの流れを調整し、痛みや不調を緩和します。
  • 鍼は比較的深いところにアプローチすることができ、経絡や組織の深層部への刺激が可能です。
  • 応用が広く、症状に応じて様々なアプローチができるのが特徴です。

整体の特徴:

  • 整体は手技を用いて骨格や筋肉、関節などの身体の構造やバランスを調整する手法です。鍼を使用しないため、手技が主体です。
  • 主に身体の歪みや不調和に対処するため、手技によって関節や筋肉の調整を行います。
  • 整体はあくまで手技を中心に据えたアプローチであり、深部へのアプローチが鍼に比べると限定的です。

腰痛の原因は15%ほどしか特定できていない

意外に思われるかもしれませんが腰痛の15%ほどしか医学的に原因が特定されていません。

つまり85%程度は心因性(身体的な原因ではなく心理的な要因によるもの。要は原因がわからない)とされているのです。

そうはいっても腰痛に悩まされている方はとても多いです。

さて、

  • この腰痛、鍼灸に行ったらいいのか?
  • 整体にいったらいいのか?

悩むことはないでしょうか?

理屈は色々ありますが、結論を先に申し上げると、原因が特定できている椎間板ヘルニアや滑り症、脊柱管狭窄症と診断されようが、

どちらの施術でも一定の効果は期待できます。

もちろん医学的に特定できていない腰痛も一定の効果は期待できます。

その理由のひとつは今の医学では画像・数値診断に重きがを置く。

そのため筋肉、皮膚などのいわゆる「凝り」を判断材料にしていないからだと考えています。

整体と鍼灸、なんだどっちでもいいのか、と思うことでしょう。

しかし、注意していただきたい点がございますのでどうぞ参考になさってください。

整体師という免許はない。

言葉の通りですが「整体師」という資格は日本にはありません。

「でも待って?巷にいっぱい整体院(カイロプラクティック、あるいは骨盤矯正)があるじゃない?」

そう思うと思います。

鍼灸の場合

  • 鍼灸は、日本では国家資格として認められ、世界保健機関(WHO)によってその効果が認められています。広範囲の症状に対して効果が期待でき、例えば腰痛などにも有益な治療法とされています。
  • 鍼灸師は国家試験を受験し、合格する必要があり、高度な専門知識(解剖学、生理学など含めた14教科)を持って患者の鍼灸治療にあたります。

整体の場合

  • 整体には日本国内での国家資格がそもそも存在しません。
  • したがって業界全体での統一的な基準がありません。
  • 制度上、整体師が治療の効果を公に謳うことは本来できません。
  • よって治療の効果に関する主張は個々の見解に基づいています。

免許があるとは最低限の技術・知識が担保されているということ。

整体という技術それ自体が優れているのは確かです。

しかし

  • 鍼灸師(はり師・きゅう師)
  • あんま指圧マッサージ師
  • 柔道整復師
  • 理学療法士

などのような国家資格を取るためには最低3年間、専門施設で学び、国家試験(鍼灸師では14科目)をパスしなければ取得できません。

したがって国家資格免許を持っているということは、最低限の技術・知識があるということです。

なければ国家試験に合格できないからです。

そこから導き出される結論はシンプル。

整体師の技術・知識はどこまであるのかを考えた時、各々の整体師の技量がどうしてもばらつきが出てしまい、健康被害のリスクが少なからずある、ということ。

なにせ極端な話、明日から何歳であっても医学的知識がなくてもその人が「整体師です」と名乗ってもOKだということを意味しているわけです。

鍼灸治療の整体の「安全性」について

鍼灸の場合

鍼灸は国家資格が存在するため、鍼灸師は基礎医学や東洋医学の専門的知識を持っています。国家試験をクリアしなければならないからです。

だから、最低限の安全性は確保されています。

整体の場合

  • 整体には国家資格がないため、施術者によって知識や技術にばらつきが生じる可能性があります。
  • よって業界全体での統一的な基準がないため、安全性が一律に保たれているわけではありません。
  • 無資格の整体施術者が存在する中で、一部の施術者が適切な知識や技術を有していない可能性があります。

これにより、あなたが望む結果を得るためには、注意を払う必要があります。

車の運転には免許証が必要な理由と同じ

想像してみてください。

  • 車の運転には免許が必要です。
  • 運転は上手い人も苦手な人もいます。

どちらにしても、自動車免許を持っている限り道路標識や交通ルール、最低限の車の構造は必ず知っていますよね?

こうした一定の知識・技術力を証明するモノサシがない、

ということは、ずばり。

「解剖学、生理学などで体系的に専門の学びの機会を得ていないので

人体について当たり前のことをもしかしたら知らない」かもしれないということです。

これは考えようによってはかなり怖いことです。

運転はできるが道路交通法、自動車の仕組みについて何一つ知らないのと同じ状態だからです。施術に当てはめて考えてみましょう。

そう考えれば健康被害がいつ起こってもおかしくありません。

だからどうするか?

整体院に行きたいなら国家資格者を選ぼう

腰痛の改善には鍼灸と整体のどちらが適しているかについて、選択肢の一つとして整体を検討する際、国家資格者を選ぶことが重要です。

整体院に行く際、国家資格者が所属しているかどうかを確認することは、安全性や信頼性の面で非常に重要です。

以下は、その理由についての続きです。

整体は手技療法の一つであり、専門的な知識と技術が要求されます。

国家資格者であるあんま指圧マッサージ師、鍼灸師、柔道整復師、理学療法士は、それぞれの分野での適切な知識と技術を身につけ、国家試験を合格しています。

これにより、患者さん(あなた)が適切かつ安全な治療を受けることが期待できます。

国家資格を持つ者が運営している整体院は、患者に信頼性があり、専門的なサービスを提供している可能性が高いです。

国家資格を取得するには一定の基準をクリアする必要があり、それが一定の品質を担保しているからです。

整体院の公式ウェブサイトや施術者のプロフィールを確認することで、国家資格を保有しているかどうかを容易に確認できます。

免許や資格の取得状況が明示されている場合、安心して治療を受けることができます。

最終的に、腰痛の改善のためには個人の状態や好みによります。

鍼灸と整体、それぞれが異なるアプローチを提供していますので、自身の体験や希望に合った方法を選択することが大切です。

あかつき堂鍼灸院が整体を取り入れない理由

私たちあかつき堂鍼灸院が整体を採用しない主な理由は、まず第一に、当院は鍼灸の専門家として鍼灸治療に特化しているからです。

よって整体の導入は、鍼灸治療の専門性を損なう可能性があり、患者様に提供できる高度な鍼灸技術が制約されるおそれがあると考えています。

さらに、当院は独自の東洋医学的アプローチを大切にしています。

整体が主に素手による手技がメインであるため、それが鍼灸治療の独自性と相容れない可能性があると考えているため、整体は取り入れていません。

まとめ

これらの情報を考慮すると、腰痛の治療法を選択する際には、少なくとも国家資格を持つ専門家に相談することを推奨するという結論になります。