肩、首が張り、次第に仕事に集中できなくなってくる方への鍼灸施術
私自身この文章を打っているのはスマホなので、家でも電車でも鍼灸院でも、どんな姿勢でも、ネット上に載せる文章程度の仕事はできますが、仕事の主流はやはりパソコンであるという人は多い、というのが日々鍼灸院に来てくださる方のお話を聞くと抱く感想です。
あなたはどうでしょう?
パソコン作業をしていると、首や方、背中が張って仕事に集中できない。
そのような方は鍼灸治療がとても向いています。
パソコン作業の負担
- 長時間に及ぶ座り作業による背中、腰、肩、首の筋緊張
- バックライトディスプレイを見ることによる目の負担
- 仕事そのものに関連する心理的ストレスによる自律神経の疲れ
- 集中時の無呼吸、または呼吸が浅くなることによる疲れやすさ
肩から腕、手の負担
意外と見過ごされますが、パソコン作業するとき基本的に肩から手にかけては内側へ内側へと姿勢を自然にとってしまう傾向にあります。そのような習慣がついてしまうと巻き肩、猫背になっていきやすくなります。
そうすることで以下の部位が血行不良になっていき、結果患部が凝って行ってしまうというわけです。
- 肩関節前面(大胸筋、小胸筋、烏口腕筋、上腕二頭筋など)
- 腕周りの筋肉(腕橈骨筋、上腕筋など)
その周囲を試しに押してみてください。かなりの痛みがあると思います。
鍼灸治療の施術法
そのような典型的なパソコン作業でつらい症状が出ている、40代女性、パソコン業務を仕事としている方を例に出します。
- 日々パソコン作業をしているため、とくに首筋、両肩のコリが辛く左に向くときに同側の首筋が痛む。
- 夕方になってくるとつらさが増してくるため、仕事に集中できなくなる。
これがこの方の主なつらい症状です。そして行った施術と経過は以下の通りです。
- 痛みのない鍼施術を腹部、手関節、背部に行い、適宜、心地の良い熱量のお灸を加える。
- 施術後の感想は、体全体のだるさは出るが、鍼灸治療の前後で首、肩周りの痛みは半減し、楽々首を回せるようになってきた
- 血行が改善したことによる自覚的に体が温まってきた。
ここのだるさはこの女性を施術するたび(月に一回メンテナンス)に起こることなのですが、これは体の血流が良くなってきた兆しだとしています。つまり、回復していく上で感じる体の違和感のことです。どのような方でもしばしば見られる現象ですが一時的なものなので心配には及びません。
今回の症状の方の平均的な施術回数の目安
週一回程度の施術を4回程度行い体の変化、改善度をみます。
日々の過ごし方のアドバイス
仕事上、パソコンを使用するのでどうしてもコリやすくなるのは仕方のない面がありますが、自分でケアをするとその辛さを遠ざけることができます。
その方法をご紹介します。
- 仕事に集中しているときこそ無呼吸になりやすいので、呼吸をゆっくり止めずに。
- トイレ時には軽くストレッチ
- 休憩時間はしっかり休む
- リラックスしているときに、蒸しタオルなどで首筋や目をゆったりと温める。
- 胃腸の負担を避けるため冷たい物を摂りすぎない(胃腸の負担は体の回復を遅らせます)
- 風呂に浸かる時間は熱めで10分以内を目安に。出た後は冷たいものは取らない。軽くストレッチ。
- 寝る前のスマホは脳を興奮(交感神経優位)させるので控える。
どれも基本的なものばかりですが、効果的なものです。ぜひお試しくださいね。