20代女性、徐々に重く痛んできた腰痛が改善した一例
とくにきっかけが思い当たらず徐々に腰痛が悪化した女性に対する鍼灸施術の一例を示します。
この方の背景として日常的にデスクワークを主とした生活をされているため、腰痛がない時は首から肩の慢性痛が強い、ということがありました。
現状としてはい腰痛がつらくいつもある首の痛みはそこまでではない状態でした。
大事な所見は下腹部と膝裏の筋緊張
腹部に軽く鍼をし下腹部の凝りが取れた時点で腰回りの動きが改善しました。
ついでにうつ伏せになってもらい、腰回りの凝りも見て取れましたが、今の症状を生んでいるのは膝裏の凝り(ツボ名→委中)の凝りでした。
これはとくに生活している上でじっとした姿勢が長い方に多い反応です。
この委中というツボは腰痛とかなり関連深い反応を示します。
裏を返せばここの反応が取れれば腰痛は緩和する方向に行くとがかなり多いと言えます。
今回の例ではわかりやすい変化を示したため一回の治療でほとんど辛さは解消しました。
腰が痛いから腰を見るだけでは不十分
腰が痛いから腰を見る、考えてみれば当然の考え方ですが、私たちプロは少し違った視点を持っています。
それは痛みは原因ではなく結果である、という見方です。
今回のケースの場合長時間にわたるデスクワークで腰を痛めていったと言うわけですが、椅子に座っている姿勢を支えているのは腰だけではありませんよね。
背中やお腹の筋肉、足でも姿勢を支えていますし、そう考えると全身的な影響が結果的に腰の痛みを引き起こしているのであり、腰が先に痛くなったという訳ではなさそうというのは想像に難くないでしょう。
実際触診してみると、より具体的に判断することができる。
今回のケースでは、鍼で皮膚や筋緊張を取り、それでも緩みにくかった、膝裏(委中)と左首筋、左三陰交(左足首のツボ)にお灸を施すことで解消されました。
腰そのものには鍼やお灸はしていません。
もちろん必要があれば腰にすることはありますが、
あくまでそれは体を触診して今の体の辛さと関係していると判断できた時です。
どうすればこの症状を防げるのか?
基本的にラジオ体操以上の運動を週に2.3日でもやって頂ければかなりの予防になると考えられます。
が、まずこういった症状がある方は運動をしない傾向が強いです。
これは実にもったいないことです。
ここまでお読みになられた方で同じような症状があると言う方はラジオ体操やストレッチを取り入れてみてください。
1回2回で改善するものではもちろんありません。
大事なのは体の部分的な硬さを作らないことですから数ヶ月単位はかかるでしょう。
体に柔軟性を作っておく。
極端にいえばその究極の姿が赤ちゃんであり、子供です。
子供が腰が痛い、肩が凝ったと言わないのは体の柔軟性が十分にあるからです。
裏を返せば成長期を過ぎた私たちは何かしらの手段を持って体の柔軟性を確保する必要があるのです。
- ラジオ体操はYouTubeで見られます。
- ストレッチもYouTubeで見られます。
- その他筋トレなどの運動もYouTubeで見られます。
- 昔に比べたら非常に気軽に体を動かすきっかけが転がっているのです。
ぜひ試してみましょう。
それでもどうにも改善しないどう場合は、鍼灸治療を受けるという手をお勧めいたします。