冷えと重力と健康
あなたの不調は一体どこからくるのか?そのひとつの答えは鍼灸、東洋医学が握っていると私は考えています。
人生は何が起こるかわかりませんが、絶対確実に誰でも自分の未来の予測ができることがあります。それは必ず人はいつか死ぬということです。
そう考えてみると、生きている体は温かい、死んでいる体は冷たいという当たり前のことに気づきます。これについて異論を唱える人はいないはずです。死んでる体が温かいということはありえないからです。
健康とは体全体が適度に温かいこと
ということは、生きているとは血液が全身を巡り、温かいということをキープし続けること。死に近づくということは、次第に体が、冷えていくことだと考えることができます。
よって冷えという現象をいかに排除していくか?ということが鍼灸施術のキーワードになります。
これにプラス似た考え方があります。生きることは、重力に抗うことだということです。
重力と生命力の似ているところ
生きているとは地球にかかる1Gという重力に抗い生活し続けること。
人は生まれたときは立つことすら、寝返りすることすらできません。それが成長するに従い、首が座り、寝返り、座り、ハイハイし、歯が生え、やがて立ち上がり、しかも歩き出します。
この一連の過程を重力目線から考えれば、成長によって重力に逆らい続けた結果、得られた能力だといえます。
そして、やがて老化するに従い次第に重力に耐えきれなくなっていく。具体的には腰が曲がり、膝が曲がりやがて歩くことすら覚束なくなる時がいつか来る。
これらの生命現象をまとめると以下になります。
- 生きている状態は温かい
- 死んでいる状態は冷たい
- 冷えていくことは死に近づくこと
- 生きるということ重力に抗うこと
- 死ぬということは重は力に抗えなくなること
顎の力と足の力の共通点
一説に顎の力、すなわち噛む力と歩行機能には密接な関係があるそうです。顎の力がしっかりある人はしっかり歩ける。一方顎の力が弱く流動食みたいなものしか食べられなくなると、歩行がおぼつかなくなってくる。
考えてみれば、赤ちゃんは成長によって母乳→離乳食→普通の食事へ。そして重力に抗いやがて立ち上がりますが、逆に老人は重力に耐えきれず行動範囲が狭まってくる。とても興味深い相関関係にあると思います。
顎は唯一自然な姿勢で口を閉じるという重力に抗っている筋肉がある部位だということも実に興味深いことです。