痛む部位に鍼をしなくても効果はあるのか?

- update更新日 : 2019年04月18日
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「腰痛なのに痛い場所に鍼するでもなく、鍼の痛みすらないのにスーっと楽になった!」という嬉しいお言葉をいただきました。

  • 鍼は刺さないと効果が出ないはず。
  • 鍼は深く刺す方が効くはず。
  • 刺す鍼数を増やせば効果が倍増するはず。
  • 痛い部位に鍼は刺すものだ。

なんとなくそう思うでしょう。でもあかつき堂鍼灸院では少し異なる考え方をしています。

  • 刺さなくても効果は出る
  • 深く刺さなくても効果は出る
  • 鍼数は最小限にできる
  • 痛い部位に鍼をしなくても効果は出る

ほとんど真逆の考えと言っていいですね。

鍼の痛みもなく最低限の鍼の刺激量で治療効果が出るとしたらこんないいことってありませんよね。でもそんなことがなぜ可能なのでしょう?

東洋医学か西洋医学か?

鍼はただの金属であり物質ですから東洋も西洋もありません。

大事なのはその金属をそれぞれの鍼灸師が東洋的なモノの見方で扱うのか?西洋的なモノの見方で扱うのか?はたまた独自の理論で扱うのかで、その金属(鍼)が体に与える影響が変わるのではないかという点です。

西洋医学の基本的な考え方は人の体をパーツとして捉えることです。なぜなら、病院へ行けばすぐにわかりますが内科、外科、循環器科、呼吸器科、耳鼻科、泌尿器科、口腔外科、神経内科、歯科などキリがないないほど体を細分化して科目別に分けられているからです。

だから、疾患の数に比例して治療法が確立されることになる。(痰が出れば痰切り薬、咳が出れば咳止めなど。)

鍼もその考え方(西洋医学的)で取り扱えば体の部位ごとの鍼治療をすることになるでしょう。もちろんそれはそれで効果がもちろん期待できるのものです。

一方、東洋医学には科がありません。

漢方に「証を立てる」という西洋医学でいう診断のようなものがありますが、これは体の状態をみて治療方針を立てることであり、体の部位ごとに判断しているわけではありません。「漢方薬に学んだ〇〇の薬」というCMは見聞きすることはありますが、「新しい漢方薬ができました!」ということはおそらく聞いたことがないはずです。

鍼灸も基本的にそれと同じです。証を立ててその治療方針に従ってどこに鍼をするか灸をするか決めるのであって、どこどこが痛むからそこに鍼なり灸をするという判断はしない。

症状をみるか、体をみるか

まとめるとこうなります。

  • 西洋医学は症状を重視する
  • 東洋医学は体を重視する

症状に視点を置くとキリがないないのですが、体の状態に視点を置くと症状の多さに関わらず体をみることが可能になります。しかし冒頭に書いたように鍼の本数や深く刺す方が効果が出るのでは?というのはとても素直な感覚でありほとんどの方が思うことだと思います。

それは裏を返せば、日本人は西洋的なモノの考え方を無意識にしているということ。

私は鍼灸を扱う限りできるだけ東洋に則った体の見方をしたいと考えています。

私の行っている東洋的な考えに基づく鍼灸(積聚治療)では体の状態を皮膚の状態や脈などから総合的に判断しています。結果的にその鍼灸治療法においては、深く鍼を刺すことも、鍼の数が多いということも、鍼が痛いということもほとんどありません。

とにもかくにも、体を治したいと思う気持ちは誰でも同じ方向を向いていることは間違いありません。あなたに合った鍼灸院を探し出せることを心より思います。もし、痛いのイヤ、すぐに変化を感じたいということであればあかつき堂鍼灸院をオススメの一つとして提案させていただきます。