どの鍼灸師の施術を受けても結果は同じか?

- update更新日 : 2019年04月18日
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たとえば、空手でも弓道でも形(かた)稽古を行いますよね、師範の動作を真似することから始まり、長い年月をかけ技に磨きをかけていくとやがて師範と同じような形に限りなく近いていく。

この形稽古は鍼灸の世界でもあります。

私は鍼灸学生時代から習ってきた鍼灸治療法「積聚治療」を卒後10年を超えてなお続けています。

学ぶは真似ること

形を師範と同じようにやっていくには、自分の考えに基づいた【自己流】というものをいかに捨てていくか?というところが重要です。

  • 鍼の持ち方
  • 刺し方
  • ツボの取り方
  • 灸の仕方
  • 話し方
  • 呼吸
  • 姿勢

いかに自分を消して(自己流をやめて)師範(先生)と同じになるまで何度も何度も何度もやっていって、ようやく師範が見ている世界(ステージ)に上がることができる。

私はまだまだ私の師範に追いついたとは全く思いませんが、「ああ、こういうことか!」と達する、というか得る瞬間があります。

それは何かを言葉では説明が出来ません。身をもって体得したからであって、テクニックとして会得してきた訳ではないと感じるからです。

個性とは体の違い

そして面白いこと師範に限りなく近いてもまったく同じになることはおそらくない。それは当たり前で、身長、体重、鍼を持つ指の長さ腕の長さ、年齢など何もかもが違うからです。

ここにようやく「体の違い」というものを認識できるに至ります。

そしてこれが個性になる。つまり個性とはその人の考え方ではなくて体にこそある。

同じ鍼灸治療法ならだれに受けても同じ結果が得られる気がしますが、実際にそうならないのはそういう理由があるからです。

「弓と禅」というドイツ人が書いた本があります。この本を読むと、なぜ形が日本文化と深い結びつきがあるのか西洋人の視点で書かれているのでとても興味深いですよ。