ツボはどこにあるのか?
体にはツボが何百もあってそこに鍼や灸をすると楽になるらしい。そんなことを聞いてもイマイチイメージしにくいのではないかと思います。
- そもそもツボって何?
- そこに鍼や灸をするとなぜいいの?
- ホントにツボってあるの?
- 雑誌に載っているツボを押してみても効いてるか良く分からないんだけど?
いろんな意見があると思います。
私は鍼灸師ですから、ツボの存在は割と身近、というか当たり前のものとして受け入れることができます。でもなんでツボに鍼や灸をすると体が楽になるとか、そこまでは実はまだよくわかってないんですね。まだ研究が進んでない。
こう聞くとなんだかツボってあやふやなものとして聞こえますよね。うん、それは確かに仕方がないんですが、私が習ってきたツボの解釈について今回はお聞きください。きっと新たな発見がある!かもしれませんよ。
痛みは患部ではなく脳が感じている
ツボを探るということは、鍼灸師がたとえば辛く痛い部位(たとえば腰のツボ)の皮膚面に触れるということになります。当たり前ですね。
で、この触れられたという感覚情報は腰が直接感じているわけではなくて、実は神経を経て脳に伝わります。全ては脳で知覚していることなのです。
つまり脳の方は辛い部位にだれかの手が触れたという情報が認識されたということになる。
で、辛い部位は確かに腰かも知れませんが、その痛いと感じている部位は腰ではなく脳であって、その理屈の先にあるのはツボは脳にこそ存在するという仮説は成り立たないだろうか?ということなのです。
ここがミソです。
そこに鍼なりお灸をして適度な刺激を与えるとその相当する脳の部位も鍼灸されたという情報が伝わることになりますよね。
その意味で言えば腰のツボは脳にもあるということにはならないか?と、こういう理屈です。
実際そう考えると辻褄があうケースがよくあります。
患部が脳に意識されるように導く
たとえば、ツボに鍼や灸をする前に私は、腰を動かすとどのように痛むのかを確認してから然るべきツボ(腰とは限りません)に刺激した後、その腰の動作痛が緩和されるということをよく経験します。
なぜこんなことが起こるのでしょう?
- 腰を動かすと腰が痛むという情報が脳に伝わる。
- 然るべきツボを取る行為も脳に伝わる。
- その伝わった状態に対するフィードバックが適切に行われれば脳はその部位に相当する場所の血流を促し痛みが緩和する。
つまり腰痛部位とツボのポイントがその瞬間脳内でリンクした状態になるのでは?そんなことを想像します。
脳の中の住人、ホムンクルス
ここに興味深いものを示します。体の知覚が脳のどの部位と対応しているかを脳外科医ペンフィールドが示したマップです。(著作権の関係で写真を載せるのは控えますのでもしご興味がある場合は、ペンフィールド ホムンクルスと検索してみてください。大きな唇と手の小人が出てきます)この対応マップは小人ホムンクルスと言われます。こう考えればツボは脳にこそ存在するとも言えないだろうか?言ってはいけない理由はあるだろうか?そう思うのです。
そんな考えで鍼灸を考えるのも面白いものです。