耳コピできればツボも取れるかも?
私はエレキギターを高校くらいからやっているんてすが、久々に兄(ベース)とその友達(ドラム)とスタジオに入ることになりました。
とはいえ、エレキギターにだいぶ触ってない私。
やる曲は単純なパンクロックなので耳コピ(楽譜を見ずに曲を聴いて譜面通りにコピーすること)は別に難しくないとはいえ、その通り弾けるかどうかはまた別なので、プレッシャーです。
そんなとき人の耳って不思議だな、とふと思いました。
あなたはそう思いませんか?
五感は脳に取捨選択される
というのも、耳コピしようとその曲を聴き始めた瞬間から音に集中します。すると、ドラム、ベース、ボーカル、ギターとバンドの音が聴こえてくる中、私の担当するエレキギターの音に注目すると、ギターの音だけをピックアップすることができるからです。
目を閉じればなおギターの音に集中できます。
これはだれでも同じ能力をもっていますがたとえていうなら、人混みの中、我が子の鳴き声を聞き分けられる能力に似ています。逆に言えば聖徳太子よろしく10人同時にしゃべったことを10人分聞き分けることは実際には不可能です。
つまり全ての音を全て同じように聴いているわけではない。必ず脳によって「この音をどの程度拾うか否かという取捨選択」が行われているということですよね。
これは聴覚だけではなくて、視覚にも当てはまるでしょう。そしてそれは当然触覚にも当然当てはまるわけで。
五感で感じるものはそのまま感じ取っているわけではない。そう考えると、私たちはいかに都合のいい世界を脳を通して見聞きしているかが分かります。
ツボを取る手の触覚の鋭さ
さてツボの話になります。ツボを鍼灸師は探りそこに鍼なりお灸をします。
でも一般の方にとってどこがツボかわかる方ってあまりいないと思います。ツボの本を買って押してみたものの、こんな声が聞こえてきそうです。
- ここで合ってるのかな?
- 押してみても別になんてことはないなぁ
- よくわからない!
それは当たり前の話。
ツボを取る手をどこに、どんな圧で触るのか分からなければツボを取ることはできないからです。つまりツボの世界を見る脳がまだ育っていない。料理の本をいくら読んでも、ギターの弾き方の教本をいくら読んでも実践していかなければ身にはならないのと同じ。
鍼灸師は、何度も何度も何度もいろんな人の体を触り、何年もかけて観察し違いを見つけ、ここがツボだ!と脳に覚えこませる涙ぐましい努力をしているものです。いわば体の声がしっかり聴きとれるようになるとツボも取れるようになってきます。この作業は耳コピにとてもよく似ていると思うのです。